善徳寺厨子

厨子の屋根は唐破風(からはふ)で、軒先に木製の丸瓦(まるがわら)棒を付け、本瓦風に仕立てています。木鼻(きばな)には獅子と獏(ばく)が彫られ、正面には雲や花鳥の彫刻がはめ込まれています。扉板にも菱の地紋彫りが施されていますが、これらは全て金箔塗りです。軸部や側板壁は黒塗りで、金箔を引き立てています。製作年代を示す資料は残っていませんが、頭貫(かしらぬき)・木鼻や、棟木を支える蟇股(かえるまた)の形式などから、江戸時代中期(18世紀頃)の作と推定されます。

※唐破風…合掌部がまるい山型で、下部両端がはね上がった曲線状の破風。
※蟇股…上下の横木の間に設けた短い柱の一種で、下方で広がる曲線をえがく。カエルが股を広げた姿から連想した名前。