妊娠・出産は、女性だけががんばるものではありません。赤ちゃんを迎えるためには、男女ともに協力して取り組む必要があります。そこで、これから妊活を始めるカップルが取り組む、4つのポイントをご紹介します。

Point1 まずは妊活についての意識を共有する!

 まずは、パートナー同士でこれからのことを話し合い、同じ目線・意識を共有することから始めましょう。そもそも子どもが本当にほしいのか、いつほしいのか、何人ほしいのかなど、将来像をあらかじめ話し合うことにより、男女間の温度差が生まれないようにしておくことが大切です。

ある民間の意識調査によると、妊活を始めたのは女性が先と答えたのが54%に対し、男性は10%と、5倍の開きがありました。こうしたことからも、女性側が「パートナーが協力的でない」「本気度が足りない」と感じることが多いようです。

 パートナー同士の認識の違いは、妊娠・出産だけにとどまらず、その先の育児や将来の家庭像にも影響を及ぼします。「こんなはずではなかった」ということがないよう、お互いに話し合い、イメージを共有するようにしましょう。

Ponit2 セルフチェックをしよう!

 「妊活を始めたのになかなか妊娠しない…」と、気がついたときには1年以上たってしまっているということがあります。父母の年齢が上がるほど、妊娠はしづらくなり、出産のリスクは高まります。時間を無駄にしないためにも、赤ちゃんを授かりたいと考えたときは、迷わずご自身の身体の状態を把握することから始めましょう。

女性はまず、婦人科健診の受診です。これにより、妊娠・出産の妨げとなる病気などがないかを把握することができます。そして、毎日決まった時間に基礎体温を計ることを始めましょう。生理日や排卵日など、妊活に欠かせない情報を、基礎体温の変化から推測することができるようになります。

 男性は、精子の状態をチェックします。WHO(世界保健機関)によると、不妊の原因が男性側にある割合と、女性側にある割合は、ほぼ半々といわれています。男性が赤ちゃんを授かりやすい身体なのかを知ることは、とても大切なこと。病院での検査に抵抗があるという方は、簡易検査キットなども販売されていますので、ご自宅でチェックするという方法もあります。ただ、あくまでも簡易検査のため、時間を無駄にしないためには医療機関を受診しましょう。

Point3 生活習慣を見直して健康な体づくりをしよう!

 現代人は、多くのストレスを抱えているといわれていますが、妊活にはストレスフリーな生活を心がけることが大事です。ストレスが多いと、男性は精子の量が減り、運動量も低下します。女性も排卵等に影響が出るといった問題がありますので、睡眠などの休息を十分にとり、趣味などで息抜きをするなどしてストレスからできるだけ解放されるようにしましょう。

 また、男女ともにやせすぎても太りすぎても、妊活に悪影響があります。ウオーキングなどの有酸素運動で身体を温め、基礎代謝を上げるとともに、野菜を中心にバランスの取れた食事で適正体重を目指しましょう。

 このほか、喫煙をされている方は禁煙を。男性は、たばこを吸うことで血管が収縮し、血流が悪くなることで精子の質が低下します。女性も、不妊の原因となるだけでなく、妊娠したとしても早産や生育不良を招く恐れがあります。

Ponit4 病院で事前の検査・予防接種・治療をしよう!

 妊娠初期に女性が風疹にかかると、赤ちゃんが風疹ウィルスに感染して、先天性風疹症候群といわれる障がいを引き起こす可能性があります。「子どものときに風疹になったことがあるから大丈夫」「予防接種を受けたことがある」という人も、免疫が低下していることがあるため、抗体がある(=風疹にかからない)とは限りません。

そして重要なのは、風疹は、女性側だけの問題ではないということ。パートナーの男性が罹患したことで、妊婦さんは免疫を持っていたにもかかわらず、感染してしまったというケースがあります。男女ともに、妊活を始める前に抗体検査を行い、必要であればワクチンを接種しましょう。また、性病に関しても母子感染してしまう恐れがあるため、同様に検査・治療をするようにしてください。

このほか、妊娠をするとさまざまな要因でお口の中の衛生環境が悪化します。歯の病気は感染症のため、生まれてくる子に虫歯菌をうつさないためにも、女性だけでなく、男性側も歯科治療を済ませておくようにしましょう。

ぜひ、知ってほしい「プレコンセプションケア」

 プレコンセプションケアとは、妊娠する前にすべての女性の方とカップルの方が、正しい知識や情報を得て、それらを生活の中に取り入れ、安全な妊娠・出産を迎えるとともに、より健康的になる取り組みです。

 妊娠前に、ぜひご自身のからだ、生活をチェックしてみましょう!

 ■参考■国立成育医療センター・プレコンセプションケアのページはこちら

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