口から侵入したロタウイルスが腸管に感染して発症します。感染力が非常に強く、手洗いや消毒などをしっかりしても、感染予防をすることが難しいため、乳幼児のうちに、ほとんどの子どもが感染します。下痢や嘔吐は1週間程度で治りますが、下痢、嘔吐が激しくなると、脱水症状を起こす場合もあり、乳幼児の急性胃腸炎の入院の中で、もっとも多い感染症です。一生のうちに何度も感染するウイルスですが、初めてロタウイルスに感染したときは、特に重症化しやすく、まれに脳や腎臓に影響を及ぼすこともあり、注意が必要です。

生後、すぐに感染する場合もあるので、ワクチンの接種はできるだけ早く受けましょう。
※令和2年10月1日より定期予防接種となりました。

ワクチンについて

 ロタウイルスワクチンは2種類あり、どちらも生ワクチン(弱毒化したウイルス)を、飲むタイプです。医療機関で相談し、どちらかのワクチンを選んでください。2種類のワクチンは、含まれる成分(ウイルスの遺伝子型)の数と接種回数が異なりますが、タイプの異なる遺伝子型にも免疫が成立するため予防効果や安全性に差はありません。

なお、途中からワクチンの種類を変更することはできませんので、最初に接種したワクチンを2回目以降も接種します。

初回の標準的な接種期間は、生後2か月から生後14週6日後までです。生後15週以降は、初回接種後7日以内の腸重積症※の発症リスクが高くなるため、原則として初回接種は推奨されませんが、長期入院等の何らかの医学的理由により14週6日後までに初回接種できなかった場合は、医師と十分検討し、保護者の同意の上で考慮されることもあります。

なお、このワクチンは、ロタウイルス胃腸炎の発症そのものを7~8割減らし、入院するような重症化のほとんどを予防できます。ただし、ロタウイルス以外の原因となる胃腸炎には予防効果を示しません。

※ 腸重積症とは

腸が腸に入り込み、閉塞状態になることです。0歳児の場合、ロタウイルスワクチンを接種しなくても起こる病気で、もともと、3~4か月齢ぐらいから月齢が上がるにつれて多くなります。早めにワクチン接種を開始し、規定回数接種することをおすすめします。

ワクチン名 ロタリックス ロタテック
構成 1価(単独の遺伝子型) 5価(5タイプの遺伝子型)
接種時期 出生6週0日後~24週0日後 出生6週0日後~32週0日後
どちらのワクチンも、標準的には生後2か月~生後14週6日後までに開始
回数 2回接種(27日以上の間隔をあける) 3回接種(27日以上の間隔をあける)
注意点 どちらのワクチンも、接種後(特に1~2週間)は腸重積症の症状に注意し、
症状が見られた際には、速やかに接種した医療機関を受診してください。
接種した医療機関をすぐに受診できない場合は、
別の医療機関あるいは救急医療機関を受診し、
このワクチンを接種したことを医師に伝えてください。

ワクチンを接種する前は

 赤ちゃんのお腹がいっぱいだと、上手にワクチンが飲めない場合がありますので、接種前1~2時間ほどは授乳を控えることをおすすめします。上手に飲めるよう、医師、看護師の指示に従ってください。なお、ワクチンがうまく飲めなかったり、吐いたりしてしまった場合でも、わずかでも飲み込みが確認できていれば、ワクチンの効果に問題ありませんので、再度接種する必要はありません。

ワクチンを接種したあとは

 接種直後は、30分ほど様子を見て、医師と速やかに連絡を取れるようにしてください。ワクチン接種後2週間ほどは、赤ちゃんの便の中に、ワクチンのウイルスが含まれることがあります。おむつ交換の後などは、ていねいに手を洗ってください。高熱、けいれんなど、異常を感じた場合は、すぐに医師の診察を受けてください。腸重積症は、手術が必要になることもありますが、発症後、早く治療すれば、ほとんどの場合、手術をせずに治療できます。

特にこんな症状に注意!

次のような症状が一つでも現れたら、腸重積が疑われます。症状に気づいたら、すみやかに接種した医療機関を受診してください。接種した医療機関をすぐに受診できない場合は、別の医療機関あるいは緊急医療機関を受診し、このワクチンを接種したことを医師に伝えてください。

  • 泣いたり、不機嫌になったりを繰り返す。
  • 嘔吐を繰り返す。
  • ぐったりして顔色が悪くなる。
  • 血便が出る。

接種できないケース

 接種時点で発熱(通常37.5℃以上)があったり、重度の急性疾患にかかったりしている場合は受けられません。また、過去に同じロタウイルスワクチンを接種してアナフィラキシー(強いアレルギー反応)を起こしたことがあるお子さんや、未治療の先天的な消化管障害のあるお子さん、過去に腸重積症をおこしたお子さん、重症複合型免疫不全(SCID)のあるお子さんも接種できません。このほかにも、接種を中止または延期したほうがよい場合もありますので、予防接種を受ける日には、あらかじめ予診票を記載して受診し、医師と相談してください。

【お問い合わせ】

健康福祉部 医療健診課(保健福祉センター4F) 健康診査・がん・感染症予防係
住所/大和市鶴間1-31-7
電話/046-260-5662 
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