HPVワクチンについて

ヒトパピローマウイルス(HPV)は、人にとって特殊なウイルスではなく、多くの人が感染し、そしてその一部が子宮頸がん等を発症させます。200種類以上の遺伝子型があるHPVの中で、子宮頸がんの約50~70%は、HPV16、18型の感染が原因とされています。

HPVに感染しても、多くの場合ウイルスは自然に消えますが、一部が数年~十数年かけて前がん病変の状態を経て子宮頸がんを発症します。子宮頸がんは、国内では年間約1.1万人が発症し、毎年約2,900人が死亡すると推定されています。

ワクチンでHPV感染を防ぐとともに、子宮頸がん検診によって前がん病変を早期発見し早期に治療することで、子宮頸がんの発症や死亡の減少が期待できます。

HPVワクチンのこれまでの経緯

HPVワクチンは、平成25年4月1日に予防接種法による定期接種となりましたが、同年6月厚生労働省より、「ワクチンとの因果関係を否定できない持続的な疼痛等が、ワクチン接種後にみられたことから、この副反応の発生頻度等がより明らかになり、国民に適切な情報提供ができるまでの間、定期接種を積極的に勧奨すべきではない 」との勧告がなされ、大和市でも予診票の個別送付を差し控えていました。

令和3年11月に厚生労働省から、最新の知見を踏まえ、改めてHPVワクチンの安全性に特段の懸念が認められないこと、接種による有効性が副反応のリスクを明らかに上回ると認められたことなどから、積極的勧奨を再開する通知があり、大和市でも令和4年度より予診票の個別通知を再開しました。

また令和3年12月、厚生労働省において、上述の積極的な勧奨の差控えにより接種機会を逃した方に対して公平な接種機会を確保する観点から、時限的に、従来の定期接種の対象年齢を超えて接種を行うこと(キャッチアップ接種という)が決まりました(キャッチアップ接種についてをご覧ください)。
なお、すでに自費で接種した方は接種費用の助成を行っています。
ヒトパピローマウイルス感染症に係る任意接種費用の助成について

対象年齢

平成20年4月2日~平成25年4月1日生まれ(小学6年生~高校1年生相当年齢)の女子
※標準的な接種期間:中学1年生
※令和4年度から大和市では、中学1年生と高校1年生相当の女子に予診票等の個別通知を送付しています(すでに予診票を交付済みの方、接種歴のある方を除く)。 接種対象者で予診票を受け取っていない方は、以下のリンク先の方法にて予診票交付の申し込みを行ってください。
予診票の交付について

キャッチアップ接種について

令和6年度のキャッチアップ接種の対象者:平成9月4月2日~平成20年4月1日生まれの女性
キャッチアップ接種の期間:令和4年4月~令和7年3月までの3年間
制度についての詳細は、厚生労働省ホームページをご覧ください。

※接種をご希望の場合は、以下のリンク先の方法にて予診票交付の申込みを行ってください。
予診票の交付について

ワクチンの種類

ワクチンは3種類あります。原則として同じ種類のワクチンを規定の回数接種します。
※それぞれのワクチンで接種間隔が異なりますので、ご注意ください。
※いずれも筋肉内注射です。

シルガード9(9価ワクチン)

子宮頸がんを引き起こす原因の80~90%を占める7種類(16型、18型のほか5種類)のHPVの感染を防ぎます。また、尖圭コンジローマ(※)の原因の約90%を占める6型、11型HPVの感染を予防します。

※尖圭コンジローマとは、HPVの感染によって起こる男性・女性の生殖器にできる良性のいぼです。

〔接種回数および接種間隔〕
15歳未満までに初回(1回目)接種をされた方は2回(初回接種から6か月の間隔をおいて1回)…①
15歳以上で初回(1回目)接種をされた方は3回(2か月あけて2回、1回目から6か月あけて1回)…②

※上記の間隔で接種できない場合
①5か月以上(注1)あけて2回
(注1):5か月未満(ただし1か月以上)の場合は3回接種となります。詳しくはお問い合わせください。
②1か月以上あけて2回、2回目から3か月以上をあけて1回接種

ガーダシル(4価ワクチン)

子宮頸がんを引き起こす原因の約50~70%を占める16型と18型HPVの感染を防ぎます。 また、尖圭コンジローマの原因の約90%を占める6型と11型HPVの感染を防ぎます。

〔接種回数〕3回

〔標準的な接種間隔〕2か月の間隔をおいて2回行った後、1回目の接種から6か月の間隔をおいて3回目を接種

※上記の間隔で接種できない場合:1か月以上あけて2回、2回目から3か月以上あけて1回接種

サーバリックス(2価ワクチン)

子宮頸がんを引き起こす原因の約50~70%を占める16型と18型HPVの感染を防ぎます。

〔接種回数〕3回

〔標準的な接種間隔〕1か月の間隔をおいて2回接種した後、1回目の接種から6か月の間隔をおいて3回目を接種

※上記の間隔で接種できない場合:1か月以上あけて2回、1回目から5か月以上かつ2回目から2か月半以上あけて1回接種

接種について

HPVワクチンの定期接種に関するリーフレット(厚労省作成)を読み、ワクチンの効果と副反応について理解した上で、接種を検討してください。

【接種場所】

大和市協力医療機関(HPV)【pdf】

※事前に予約が必要な場合があります。

※協力医療機関以外で接種する場合は、全額自己負担となります。

※長期入院あるいは療養中など、やむを得ない事情により、協力医療機関以外での接種を希望される場合は、接種前に医療健診課へご相談ください。

持ち物

親子健康手帳(母子健康手帳)、大和市予防接種番号、予診票
※予診票がお手元にない場合は、以下、予診票の交付についてをご覧ください。

※親子健康手帳(母子健康手帳)を紛失した場合は、予防接種の記録を交付しますので、医療健診課までお問い合わせください。なお、転入された方で、大和市に接種記録がない方は、転入前の自治体へお問い合わせください。

※未成年の方が接種を受ける場合は、保護者の同伴が必要です。

予診票の交付について

申込み方法
・電話 046-260-5662(平日8:30~17:00)
・医療健診課の窓口(親子健康手帳(母子健康手帳)をご持参ください。)
・電子申請はこちら
※これまでに市からHPVワクチンの予診票交付を受けた方で、予診票を紛失された場合は、窓口での再発行となります。

※予防接種番号をお持ちの方は、医療機関にて交付可能な場合もあります。大和市予防接種番号を紛失された場合は、再交付を行う必要があるため、親子健康手帳(母子健康手帳)を持参の上、医療健診課窓口までお越しください。
転入した方で、大和市予防接種番号がわからない場合は、医療健診課までお問い合わせください。

◆HPV予防接種予診票 電子申請はこちら

注意事項

・原則として同じ種類のワクチンを接種することが推奨されていますが、医師と相談の上、途中から9価ワクチンへ変更し、残りの接種を完了することも可能です。交互接種を希望される方は、医師にご相談ください。

・HPVワクチンの接種を受けた後は、体調に変化がないか十分に注意してください。
詳しい情報はこちらをご覧ください:HPVワクチンを受けたお子様と保護者の方へ【pdf】

・まれに報告される副反応として、アナフィラキシー等の過敏反応、ギラン・バレー症候群、血小板減少症紫斑病、急性散在性脳脊髄炎等があります。接種後、接種部位の異常な反応や体調の変化があった場合は、速やかに医師の診察を受けてください。

・ワクチン接種は、子宮頸がんの原因となるすべてのHPVに対応するものではありません。このため、子宮頸がんを予防するには、20歳以降定期的に子宮頸がん検診を受診することも大切です。

血管迷走神経反射による失神について

血管迷走神経反射とは、注射の痛みや恐怖・不安等により自律神経系が刺激され、全身の血管床が拡張するために脳血流が低下することで一過性に血圧や心拍数の低下を引き起こす生理的反応のことをいいます。
HPVワクチンは、筋肉内注射のため、皮下注射である他の予防接種に比べて接種時の痛みが強い傾向にあり、接種後の血管迷走神経反射による失神等が報告されています。
接種後の失神等による転倒を避けるため、接種後30分程度は体重を預けられるような場所で、なるべく立ち上がることを避けて待機してください。また、接種後の移動の際には、保護者が腕を持つなどして付き添うようにしてください。

HPVワクチン接種後の痛みの診療について

HPVワクチン接種後に、痛みやしびれ、脱力などの症状が2~4時間続いている方は、専門の医療機関への受診をお勧めします。受診の際は、それまでの医療機関での検査結果や、紹介状(診療情報提供書)が必要になります。

【参考】厚生労働省ホームページ
ヒトパピローマウイルス感染症の予防接種後に生じた症状の診療に係る協力医療機関について
HPVワクチン相談窓口

大和市HPVワクチン接種後の体調変化に関する状況調査について

大和市では、HPVワクチンを接種した市民に対し、ワクチン接種後の体調変化に関する状況調査を行いました。

対象者

平成23年2月1日から平成25年9月30日までに、大和市協力医療機関で接種された市民の方

方法

平成25年10月21日に対象者に状況調査票を発送し、平成25年11月8日を回答期限として返送していただきました。

結果

接種後に、いつもと違う体調の変化があったと答えた方で、現在も症状が継続している方には、個別に連絡を取り、症状等の確認や相談に応じましたが、複合性局所疼痛症候群と思われる方はおりませんでした(平成26年1月10日最終)。

調査結果はこちら

【参考】 厚生労働省ホームページ
ヒトパピローマウイルス感染症の予防接種後に生じた症状の診療に係る協力医療機関について
HPVワクチン相談窓口

関連リンク

厚生労働省ホームページ ヒトパピローマウイルス感染症~子宮頸がんとHPVワクチン~)
厚生科学審議会 (予防接種・ワクチン分科会 副反応検討部会)

【お問い合わせ】

健康福祉部 医療健診課(保健福祉センター4F) 健康診査・がん・感染症予防係
住所/大和市鶴間1-31-7
電話/046-260-5662 
このページに関するお問い合わせはこちら

Please select your language
文字の大きさ
背景色