令和4年度大和市さくら文芸祭「川柳の部」

更新日:2023年03月23日

令和4年度大和市さくら文芸祭「川柳の部」の受賞作品および審査員講評です。

審査員

やまぐち 珠美

最優秀賞 長谷部 誠一

飢餓絶えぬ地球で絶えぬフードロス

地球規模の視野で食料問題を射抜き、「絶えぬ」の繰り返しで警鐘を深く鳴らしています。鋭いまなざしで貫かれている一句です。

優秀賞 安藤 美佐子

節電へタマ湯湯婆にして早寝

物価の高騰が、庶民生活を重く暗い雲で覆っています。作者はそれに対し、工夫とユーモアで対抗しました。「タマの()(たん)()」の愛らしい暖かさ。

優秀賞 岩下 正文

現金を頼りに生きてキャッシュレス

キャッシュレス社会を生きる本音を「頼りに生きて」で鮮やかに描きました。社会の潮流に添いながらも、現金を拝むしたたかさにうなずかされます。

優秀賞 はな

失敗も挫折も今は宝物

人生のつまずきは苦しくにがく、もう立ち直れないように思えますが、やがてしなやかな強さで前途へ目を向けます。下五が作者を輝かせています。

優秀賞 茂太

趣味一途余命の灯り赤々と

体力も時間もまだ大丈夫、と思っていた壮年期とはちがい、「余命」をはっきり意識して生きる作者の、なんとアクティブな上五。「赤々と」命燃やす日々。

特別賞 店村 陽向

春の雪羽音一番とけて去る

残雪の飛び立つ最後の場面を「とけて去る」と表しました。空にとけていく残雪の影と、大造じいさんと残雪の通う心を一句にして晴れやかです。

特別賞 林 健斗

英雄は快晴の空輝くよ

大造じいさんは「がんの英雄よ」と残雪に呼びかけました。これを読んだ作句者の心に、「快晴の空」が「輝」きました。その嬉しさが伝わってきます。

特別賞 高柳 陽太(※高ははしご高)

ガンとじい英雄たちの広い空

残雪を「英雄」とみとめた大造じいさんもまた英雄だ、と考えたとき「広い空」を感じた作句者の思いも澄み渡っています。

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