徳本念仏塔
文政元(1818)年に、念仏行者徳本(ねんぶつぎょうじゃとくほん)に帰依(きえ)した人々が建立した石塔です。徳本行者は、宝暦8(1758)年に紀伊国に生まれ、近畿から関東地方にかけて念仏を広めた浄土宗の僧侶です。石塔の正面には、髭文字(ひげもじ)と呼ばれる独特の書体で「南無阿弥陀仏 徳本」と刻まれ、尖頭角柱型をしています。文政元年は、徳本が相模国各地を巡った翌年にあたり、深見・瀬谷・鶴間などの200名を超える人々が造立者として名を連ねています。徳本行者による布教が、広く周辺の村々に浸透した様子がうかがえます。