平成30年度大和市さくら文芸祭「短歌の部」

更新日:2021年08月23日

平成30年度大和市さくら文芸祭「短歌の部」の受賞作品および審査員講評です。

審査員

長澤 ちづ

最優秀賞 阿部 由香里

あまたなるプラスチックの断片が海の生きもの飲み込んでいる

平成の世の地球レベルの課題は環境問題。中でも深刻なプラスチック粒子の海岸汚染を真正面から詠う。三句目の「が」がポイント。小さな物に大きな生物を飲み込ませている。

優秀賞 石邊 綾子

ため息の訳は枯葉のふきだまりふざけてばかりの季節のあとの

五十代の方の歌であれば、この三十年は大人になって社会で活躍した時代。そして今や枯葉の吹き溜まる人生の季節ともよめる。ため息のようなF音に自嘲の思いが窺える。

優秀賞 遠藤 加津樹

語り部は同年代の女の子くじけず生きる決意に涙

平成は災害の多い年だった。東日本大震災で被災した女生徒だろうか。体験談を語る会に参加した同世代の作者。辛い体験を克服し、前向きに生きる姿勢に共感を示す。

優秀賞 高橋 すみ

新しき御代すこやかに歩まんと卒寿の筋トレ励みて居たり

新しい御代に期待を寄せる作者は、大正・昭和・平成と三代の世を生きて来られた方だ。卒寿の今もお元気で筋トレに励む。その姿は現代の高齢者の在り方でもある。

優秀賞 橋本 涼

缶を蹴るカランと音はかなしくて平成時代はかえって来ない

幸せだった子どもの頃の時代が過ぎ去ることに並々ならぬ哀惜の念の籠る歌だが、缶を蹴る乾いた音には、作者の意図を離れて時代の負の部分を思わせる

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