地域乗合交通創出支援事業(西鶴間・上草柳地域「のりあい」)
背景
大和市内には、交通の利便性向上を促進すべき地域が存在しております。この地域の中でも、路線バスやコミュニティバスなどが導入できない地域では、高齢者や子育て世代など、外出に不安や不便を感じている方々が多く生活しています。
目的
路線バスやコミュニティバスなどが導入できない地域においては、地域住民が主体となって移動手段の創出に取り組み、外出機会の創出を通した地域コミュニティの活性化が図られるような支援を行います。
事業について(平成30年9月まで)
1 事業概要
地域住民が主体となって運営する、住民のための移動手段創出の取り組みに対し、住民組織と市との協働事業の形で支援する。
2 事業内容、運営の仕組み
- 西鶴間・上草柳地域では、9自治会(約2,400世帯)の地域住民が中心となって組織する「地域と市との協働“のりあい”」が、10人乗りのワゴン車(運転者、添乗者、利用者8人乗り)を使い、地域と鉄道駅や商業施設などを結ぶ移動手段の提供をはじめ、コミュニティ活性化に資する地域活動を行っている。
- 組織の運営に係る経費は、9自治会に属する各世帯からの協力金と、個人による賛同支援金、企業からの協賛金、バザーなどの収益で賄っている。
- 市の支援は「大和市地域乗合交通創出支援事業要綱」に定める車両の確保と広報活動。
3 事業の特色
- 道路運送法上の登録や許可を要さない、ボランティアによる無償運送。
運転や添乗等は地域のボランティアが担っている。(平成30年9月まで) - 住民組織と市との協働事業として協定を締結。(役割分担等を規定)
- 添乗員が同乗し、乗降補助や車内でのコミュニケーションを行っている。
- 事務局主催の地域交流会開催など、地域コミュニティづくりにも貢献している。
- 平成30年10月より、バス事業者に運行を業務委託している。
4 事業実施までの経緯
(注意)当初は、神奈川県とNPO(かながわ福祉移動サービスネットワーク)の協働事業により、地域でワークショップを3回実施(~平成20年7月)
- 平成20年10月 「乗合バス運行準備会」発足
- ~平成21年4月 住民アンケート、ルート試走、ミニ集会実施
- 平成21年 5月 地域説明会実施
- 平成21年 6月 第1回実験(5日間)(1日あたり9周)
- 平成21年 8月 大和市との協働事業に採択される(平成22年度から3年間)
- 平成21年10月 第2回実験(5日間)(1日あたり9周)
- 平成22年 2月 第3回実験(1ヶ月間)(1日あたり10周)
- 平成22年 3月 地域報告会(準備会から委員会への移行・実験開始を報告し参加者の賛同を得る)
- 平成22年 4月 実験事業開始(1日あたり10周)
- 平成23年 4月 本格事業へ移行(1日あたり10周)
- 平成23年 6月 乗り切れない利用者への対応のため自家用車による待機車制度実施(~翌年3月)
- 平成24年 4月 参加自治会増(7から9)、車両増(1から2)、回数増(10から15、夏季16)
- 平成24年 8月 大和市との協働事業として再び採択(平成25年度から3年間)
- 平成27年 7月 時刻表の改正(1日18便に増)
- 平成27年 8月 大和市との協働事業として再び採択(平成28年度から3年間)
- 平成27年10月 現状と課題を整理、今後の新しい方向性について検討開始
- 平成30年10月 相鉄バス株式会社による運行開始
<参考>事業開始以降の利用実績:(単位:人)
年度 | 利用者数 |
ひと月当たり 利用者数 |
---|---|---|
平成22年度 | 8,672人 | 722人 |
平成23年度 | 11,516人 | 960人 |
平成24年度 | 15,903人 | 1,325人 |
平成25年度 | 16,297人 | 1,358人 |
平成26年度 | 17,548人 | 1,462人 |
平成27年度 | 17,242人 | 1,437人 |
平成28年度 | 15,797人 | 1,316人 |
平成29年度 | 16,006人 | 1,334人 |
平成30年度 | 19,387人 | 1,616人 |
平成31年度(令和元年度) | 26,849人 | 2,237人 |
令和2年度 | 20,395人 | 1,700人 |
令和3年度 | 23,660人 | 1,972人 |
5 具体的な市の支援内容
- 『地域と市との協働「のりあい」』への車両の貸与(傷害保険は車両に含まれる)
- 燃料費の支給
- 運行業務をバス会社(相鉄バス)へ委託
- 地域への広報協力(広報紙印刷等)
- 運輸局、警察など関係機関との調整
更新日:2022年12月15日