大和市文化芸術振興基本計画[第4期](案)(テキスト版)
第一章 計画策定にあたって
1.計画策定の目的
長い歴史を背景とした文化資産、文化の多様性、そして優れた文化施設とそこで行われる市民の文化芸術活動は大和市の誇りであり、貴重な財産です。これらを後世に引き継ぐとともに、さらに新たな文化を生み出していくことが、心豊かで潤いのある市民生活、活力ある地域社会の実現につながります。
大和市は、文化芸術の持つ多様な力に早くから着目し、平成21年(2009年)に「大和市文化芸術振興条例」を制定し、また、本市における文化芸術振興施策を総合的かつ計画的に推進するため、平成23年(2011年)より「大和市文化芸術振興基本計画」を策定し、その後、平成26年度(2014年度)及び平成31年度(2019年度)に改定を行い、ハード、ソフトの両面から、さまざまな施策・事業を展開してきました。
このたび、第3期にあたる同計画が、令和6年度(2024年度)をもって最終年度を迎えたことから、その内容を見直し、コロナ禍やSDGs等の社会状況の変化を踏まえながら、大和の文化芸術のさらなる発展を図るための新たな計画を策定することとしました。
2.計画策定の基本的な考え方
大和市文化芸術振興条例では、文化芸術振興の基本理念や特に力を注ぐ施策を定めています。この考えは、計画の策定や施策を進めるうえでの基本となるものです。
本計画の策定において、前提となる考え方は、大和市文化芸術振興条例の第2条、第5条、第6条に定められています。
第2条 文化芸術の振興に当たっては、文化芸術を創造し、享受することが人々の生まれながらの権利であることにかんがみ、市民が文化芸術に親しむことのできる環境をつくるものとする。
2 文化芸術の振興に当たっては、市民の自主性及び創造性並びに文化芸術の多様性を尊重するものとする。
3 文化芸術の振興に当たっては、守り育てられてきた文化芸術を継承するとともに、未来に向け新たな文化芸術を創造するものとする。
4 文化芸術の振興に当たっては、市民と市は協力し、連携するものとする。
第5条 市は、次代を担う子どもの豊かな人間性を育み、子どもが文化芸術に親しむための施策を推進するものとする。
第6条 市は、国籍、民族等の異なる市民が互いの文化を認め合い、多様な文化が共生するための施策を推進するものとする。
3.計画が対象とする文化芸術の領域
この計画が対象とする文化芸術の領域は、芸術、メディア芸術、伝統芸能、芸能、生活文化、文化財など「文化芸術基本法」に例示されているものを基本とします。また、どの分野にも当てはまらないような、創造力に富んだ「新たな文化芸術」も対象に含めるものとします。
文化芸術基本法における文化芸術の範囲
芸 術:文学、音楽、美術、写真、演劇、舞踊その他の芸術
メディア芸術:映画、漫画、アニメーション及びコンピューターその他電子機器を利用した芸術
伝統芸能:雅楽、能楽、文楽、歌舞伎その他の我が国古来の伝統的な芸能
芸能:講談、落語、浪曲、漫談、漫才、歌唱その他の芸能
生活文化:茶道、華道、書道その他の生活に係る文化
国民娯楽:囲碁、将棋その他の国民的娯楽出版物及びレコード等
文化財等:有形及び無形の文化財並びにその保存技術
地域における文化芸術:各地域における文化芸術の公演、展示等、地域固有の伝統芸能及び民俗芸能(地域の人々によって行われる民俗的な芸能)
4.計画の期間
本計画は、市の最上位の計画である「第10次大和市総合計画」の基本計画との整合を図り、計画の期間を令和7年度(2025年度)から令和11年度(2029年度)までの5年間とします。
・第10次大和市総合計画基本計画(令和7年度~11年度)
・大和市文化芸術振興計画(令和7年度~11年度)
・国:文化芸術推進基本計画(第2期)(令和5年度~9年度)
・県:かながわ文化芸術振興計画(令和6年度~10年度)
5.計画の位置づけ
(1)文化芸術振興条例の理念を具現化する計画
大和市文化芸術振興条例は、文化芸術の振興を図るという大和市の意思を明確に示したものです。
文化芸術振興基本計画は、この条例の第7条の規定に基づき策定するプランであり、文化芸術施策を推進する際の拠り所となるものです。
(2)将来都市像を文化芸術の側面から実現する計画
第10次大和市総合計画は、市が行うすべての施策や事業の根拠となる計画です。
文化芸術振興基本計画は、第10次大和市総合計画が掲げる将来都市像を文化芸術の側面から実現する個別計画の位置づけを持つものとします。
(3)市民と市の役割を明らかにし、共有することができる計画
大和市文化芸術振興条例には、第3条に市民の役割、第4条に市の役割をそれぞれ定めています。
文化芸術振興基本計画は、文化芸術に関わる各主体の役割を明らかにし、市の目指すべき方向を皆で共有することのできるものとして位置付けます。
(4)文化芸術基本法の趣旨を踏まえ、国の施策との連携を図る計画
文化芸術基本法第7条の2には、国の文化芸術推進基本計画を参酌して,その地方の実情に即した文化芸術の推進に関する計画「地方文化芸術推進基本計画」を策定するよう努めることが規定されています。
文化芸術振興基本計画は、同法に規定する「地方文化芸術推進基本計画」の位置付けを持ち、必要に応じて国との連携を図るプランとします。
第二章 第3期計画の取り組みと成果
第3期計画の2年⽬に当たる令和2年(2020年)初頭、新型コロナウイルスが発生し、世界で感染が急拡大しました。我が国においては、同年4⽉に緊急事態宣⾔が発出され、不要不急の外出は控えるよう求められ、まさに⽂化芸術は、この不要不急のものであると見なされる風潮がありました。
その結果、ホールや展示会場等で大勢が一堂に会する⽂化芸術イベントは、感染拡大への懸念から開催の中⽌や延期、規模の縮⼩を余儀なくされ、加えて観覧する⼈も⾏動を自粛したことにより、全国各地でさまざまな分野の⽂化芸術活動が甚大な影響を受けました。
それは、本市においても例外ではなく、第3期の計画期間に予定していた事業やイベントはほとんど実施できず、定量的な目標を達成することが叶いませんでした。しかし、こうした厳しい状況の中でも、事業の実施手法を工夫しながら、文化芸術に親しめる新たな機会の提供、きっかけづくりに継続的に取り組み、定性的な部分で一定の成果を生み出すことができました。
また、文化芸術事業や公演が再開された際には、文化芸術に触れられることを心待ちしていた市民が多くみられ、改めて文化芸術の持つ魅力とともに、有事が生じた場合の迅速な対応の必要性について再認識することとなりました。
■映像を活用した芸術公演、展覧会の開催
芸術文化ホールの文化芸術事業については、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、公演中止や企画内容等の見直しが必要となりましたが、代替公演の実施や企画内容の再構築を行い、文化芸術と市民との接点の確保に努めました。
具体的には、国内トップ・オーケストラが演奏する、ベートーベンの第九の上映会を開催しました。当日は、公演会場の雰囲気を少しでも味わいたいと多くのクラシックファンが集い、迫力ある演奏を堪能しました。
また、公募で選ばれた団体の作品を展示するオンライン形式の展覧会を実施しました。公開した動画には、作品を展示する様子だけでなく、学芸員が作品を際立たせる方法などを紹介し、今後の活動につながるものとしました。
■「大和市の災害史」の発刊
令和4年9月に、市域に影響を与えてきた自然災害や感染症についての歴史を一冊にまとめた『大和市の災害史』を発刊しました。有史以前の噴火災害から、世界中で流行した新型コロナウイルス感染症までの災害史年表とともに、市制施行以降に市が行ってきた災害対策を掲載しています。
本書は、令和元年末からはじまった新型コロナウイルス感染症の世界的流行を契機に編集をはじめました。幾度も起こった大規模地震や大正年間に世界中で
流行したスパニッシュインフルエンザから分かるとおり、自然災害や感染症の流行は繰り返し起こります。現在に伝わる記録をまとめて後世に伝えることで、未来の人々の減災に役立ってくれることを期待しています。
■SORAアーティスト事業の実施
「SORAアーティスト」事業は、ウィズコロナ・ポストコロナを⾒据えたアーティストの創造、表現活動の支援策として、第3期計画の最終年度に開始した事業です。初年度となる令和6年度(2024年度)は、35名のアーティストが市の実施する審査会に合格し、ライセンスが交付されました。
青空のもと市内の公共施設や公園を会場に、音楽、大道芸、ダンスなど多彩なパフォーマンスが披露され、文化芸術に触れられる機会の充実とともに、大和市のにぎわい、魅力の向上にも貢献しています。また、市内の多くの方の目に触れる場所をアーティストに開放することで、若者の創造活動の支援につながっています。
■デジタルへの転換
「YAMATO ART100」は、コロナ禍においても事業を継続しましたが、掲載するイベントが急遽中止となることが予測されたことから、これまで冊子形式だったYAMATO ART100の情報誌をリーフレット形式に変更しました。これをきっかけにして、第3期計画の最終年度からは紙媒体への掲出をできる限り抑え、電子媒体への移行を進めています。
また、過去に作成した市の歴史に関するビデオ映像や、古民家のかやぶき屋根の葺き替えの様子、市内の民話・伝説の絵本の読み聞かせなどをデジタル化し、動画サイトで公開しました。さらに、民話・伝説の絵本については、市の電子図書館の蔵書として登録し、いつでも借りて読むことができるようにしました。
■やまと世界の料理めぐり~食べて応援スタンプラリー~の実施
多くの外国籍市民が暮らす大和市の特性を広く市民に紹介し、日本人市民と外国人市民との文化交流を図る「やまと世界料理の屋台村」の代替事業として、市内の外国料理店をスタンプラリーでめぐるキャンペーンを実施しました。
このキャンペーンは、国際化協会の協力指定店となっている外国料理店のうち、異なる3店舗で食事をした人に3,000円の食事券をプレゼントするもので、大変好評を博しました。
また、食事をした人には、SNSなどを活用して食べた料理の感想や応援メッセージなどを投稿してもらうこととし、大和市の外国料理店が持つ魅力の発信にもつなげました。
第3期計画モニタリング項目と実績値
施策目標1 市民の暮らしと文化芸術とのつながりを深める
・過去1年間において1回以上文化芸術の鑑賞を行った市民の割合
基準値:65.9%(H30)
実績値:38.4%(令和3)、39.4%(令和5)
目標値:46.5%(令和6)
・自ら文化芸術活動を行っている市民の割合
基準値:30.5%(H30)
実績値:17.8%(令和3)、22%(令和5)
目標値:42.0%(令和6)
・文化や芸術活動が盛んに行われていると思う市民の割合
基準値:45.7%(H28)
実績値:48.2%(令和3)、51.2%(令和5)
目標値:61.5%(令和6)
施策目標2 地域の文化を大切に守り、次代につなぐ
・大和市の歴史や文化は、しっかりと継承されていると思う市民の割合
基準値:38.3%(H28)
実績値:38.4%(令和3)、39.4%(令和5)
目標値:46.5%(令和6)
・歴史文化施設の利用者数
基準値:54,443人(平成29)
実績値:47,760人(令和元)、37,516人(令和2)、50,280人(令和3)、42,607人(令和4)、37,025人(令和5)
目標値:61,200人(令和6)
・つる舞の里歴史資料館企画展の認知状況
基準値:13.8%(H30)
実績値:19.1%(令和3)、20.8%(令和5)
目標値:21%(令和6)
施策目標3 すべての子どもが文化芸術に親しめる環境をつくる
・市立小・中学校の文化芸術鑑賞・体験1校あたりの実施回数
基準値:4.7回(平成30)
実績値:4.4回(令和元)、0.6回(令和2)、2.5回(令和3)、2.8回(令和4)、3.5回(令和5)
目標値:5回(令和6)
・対話による美術鑑賞ガイドスタッフ1人当たりの児童数
基準値:5.9人(平成29)
実績値:6.5人(令和元)、中止(令和2)、6.5人(令和3)、6.9人(令和4)、4.7人(令和5)
目標値:5人(令和6)
・美術館等で対話による美術鑑賞を行った児童が美術作品に興味を持った割合
基準値:80.6%(平成30)
実績値:82%(令和元)、中止(令和2)、96.6%(令和3)、96.4%(令和4)、94%(令和5)
目標値:85.5%
施策目標4 文化芸術の振興を牽引する担い手を育てる
・仮称:やまと文化芸術サポーター制度の設立
実績値:制度設立(令和5)
目標値:制度設立(令和6)
・イラストレーションデザインコンペの年間応募者数
基準値:343人(平成30)
実績値:396人(令和元)、416人(令和2)、404人(令和3)、373人(令和4)、334人(令和5)
目標値:470人
・イラストレーションデザインコンペ入賞者への年間制作依頼件数
基準値:22件(平成29)
実績値:16件(令和元)、11件(令和2)、20件(令和3)、21件(令和4)、17件(令和5)
目標値:43件(令和6)
・やまと子ども伝統文化塾の受講者数
基準値:1356人(平成30)
実績値:1594人(令和元)、1690人(令和2)、1894人(令和3)、2125人(令和4)、2399人(令和5)
目標値:2200人
施策目標5 大和の文化芸術の魅力を内外にアピールする
・文化芸術イベント全体の認知状況
基準値:62.9%(H30)
実績値:65%(令和3)、72.2%(令和5)
目標値:77%(令和6)
・やまと芸術文化ホール年間利用者数
基準値:306018人(平成29)
実績値:225063人(令和元)、43931人(令和2)、104520人(令和3)、182885人(令和4)、209782人(令和5)
目標値:327000人
・やまと芸術文化ホールホームページ年間アクセス件数
基準値:594284件(平成29)
実績値:543923件(令和元)、274112件(令和2)、344908件(令和3)、406412件(令和4)、519864件(令和5)
目標値:598500件(令和6)
・YAMATO ART100として採用した文化芸術イベント数
基準値:102件(平成30)
実績値:107件(令和元)、49件(令和2)、54件(令和3)、78件(令和4)、128件(令和5)
目標値:100件以上(令和6)
施策目標6 多文化共生社会の実現を目指し、様々な文化に親しめる環境をつくる
・多文化共生・国際交流が行われていると思う市民の割合
基準値:22.3%(H28)
実績値:26.4%(令和3)、33.3%(令和5)
目標値:30.5%(令和6)
・文化芸術に期待する役割に「多文化共生」を挙げる市民の割合
基準値:13.7%(H30)
実績値:16.4%(令和3)、21.1%(令和5)
目標値:21%(令和6)
・やまと世界料理の屋台村の認知状況
基準値:16.3%(H30)
実績値:27%(令和3)、16.4%(令和5)
目標値:35%(令和6)
第三章 文化芸術を取り巻く状況の変化
1.新型コロナウイルス感染症が文化芸術に与えた影響
世界保健機関(WHO)は、令和2年(2020年)3月11日に、新型コロナウイルス感染症をパンデミック(世界的な大流行)とみなせると表明しました。
我が国においても、4月7日には7都府県に緊急事態宣言が発出され、同月16日には対象を全国へと拡大。その後は、収束と拡大を繰り返し、令和5年5月8日に感染症法上の5類感染症に位置づけられるまで、緊急事態宣言は計3回発出されました。
新型コロナウイルスの感染拡大は、文化芸術に携わる世界中の担い手に大きな打撃を与えました。文化施設は休業を余儀なくされ、イベント、公演、展示などが中止や延期、規模の縮小に追い込まれました。現在は5類感染症となり、大部分の活動が再開されてきていますが、いまだ、創作発表の機会喪失や感染リスク、金銭面などに対する不安を拭えない担い手が多くいます。
一方で、これまでなかなか社会に浸透しなかったICT(情報通信技術)を活用する動きが、急速に浸透したのもこの時期からです。ICTを活用した取り組みは、文化芸術の分野にも及び、動画サイトやSNS、ストリーミングサービスなどで、鑑賞する動きが広がりを見せました。これにより、多くの人が、さまざまな文化芸術を容易に知ることができるようになりましたが、反面、直接文化芸術を目にする感動や喜び、一体感については、モニター越しでは十分に得ることができないため、対面で触れることの重要性や本質的な価値が再認識される契機ともなりました。
2.AI(Artificial Intelligence:人工知能)がもたらす変化への対応
令和4年(2022年)11月に、生成AIの「Chat(チャット)GPT」がリリースされたことをきっかけに、さまざまなAIの一般利用が開始され、だれもが気軽に使えるようになりました。文化芸術の分野においては、シチュエーションを伝えてシナリオを製作したり、イメージだけでイラストを作成したりと、これまで人にしかできなかった作品の創作が、自動で、素早く、大量に行うことができるようになりました。表現形態の多様化、幅広い需要に対応できるようになり、新たな文化の発展に寄与する可能性が生まれた一方で、創作活動をする人々は、活動を脅かされかねないとして、危機感を募らせています。
また、AIで画像や文章を生成するには、表現者が創造した作品のデータを大量に収集する必要があります。著作権のある作品を、AIが自分の学習のためにデータ収集すること自体に法的な問題はありませんが、学習のために収集した作品をそのまま複製したようにAIが創作することがあり、このことで著作権上の問題が起きています。さらに、人が表現の道具としてAIを使用したと認められる場合は、著作物に該当すると考えられていますが、未だ、その考え方は十分には定まっていない状況にあるため、今後も、デジタル時代に対応した著作権制度と政策の方向性を注視しながら、技術の進歩に伴う変化に柔軟に対応していく必要があります。
3.アニメや漫画など日本のポップカルチャーが世界で躍進
令和5年(2023年)の総務省の情報通信白書によると、世界の動画配信市場は、定額制サービスの普及や新型コロナウイルスの感染拡大に伴う在宅時間の増加などにより、取り込んだ需要を維持・拡大しているとのことです。その市場は、令和4年(2022年)には、1,067億ドルとなっており、コロナの感染が拡大する前の令和元年(2019年)の566億ドルと比較して、約88.5%増加しています。その中で、我が国の放送系コンテンツの海外輸出は、堅調に増加しており、特に緻密な表現や豊かなストーリー性を持つ日本のアニメは、常に世界の視聴トップ10に入るほど人気を博し、漫画と並び、世界に誇るコンテンツとして定着しています。
また、情報技術革新が一段と加速化し、あらゆる分野において、情報の受信・発信が容易となり、異文化交流の垣根が低くなったことにより、日本の楽曲が世界の音楽チャートで1位を獲得したり、ドラマや映画の世界で日本の俳優や邦画が高い評価を受けたりと、これまで脚光を浴びていなかったポップカルチャーも海外で受け入れられるようになりました。
こうしたメディア芸術を振興することは、文化芸術の振興はもとより、賑わいの創出や地域の活性化にも大きな効果を発揮すると言われており、近年では、これらを活用した関連施設の整備、多様なイベントの開催などが行われ、それを目当てに国内外から多くの人々が訪れている事例がみられます。
4.文化資源を活かした文化観光の推進
近年、地域の文化的資源を観光振興に活用しようとする動きが活発化しています。
これらの動きは単に政策として進められているだけでなく、法律の制定及び改正にもつながっています。我が国の文化芸術振興政策の根拠となる文化芸術基本法には、平成29年(2017年)の改正において、「文化芸術に関する施策の推進に当たっては、文化芸術により生み出される様々な価値を文化芸術の継承、発展及び創造に活用することが重要であることに鑑み、文化芸術の固有の意義と価値を尊重しつつ、観光、まちづくり、国際交流、福祉、教育、産業その他の各関連分野における施策との有機的な連携が図られるよう配慮されなければならない」ことが基本理念に定められました。また、平成30年(2018年)には、文化財保護法の改正が行われ、これまでの保護一辺倒から活用重視への方針転換が行われました。令和2年(2020年)に制定された「文化観光拠点施設を中核とした地域における文化観光の推進に関する法律(文化観光推進法)」も同様の考えを持った法律で、これにより、地域の文化財を観光資源化するための仕組みが構築されました。
こうした流れを受け、文化財として保有していた古民家を、宿泊施設やレストランにしたり、熊本地震で崩落した熊本城の石垣の復旧作業を、観光ツアーに組み込んだりと、雇用の創出や観光客の誘致に取り組む事例が増えてきており、既存の施設の特性や運営方法にとらわれない、新たな価値や魅力が全国各地で創出されています。
5.多様性に対する意識や関心の高まりへの対応
メディアが多様性(ダイバーシティ)について取り上げる等、様々な価値観や習慣、文化の違いを受け入れていこうという社会的な機運が高まりつつあります。その背景にあるのは、SDGs(エス・ディー・ジーズ:Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)の認知度の向上にあると言えます。
SDGsは、2015年9月の国連総会で採択された、2030年までに達成すべき17の目標と169のターゲットのことで、「誰一人取り残さない」という基本的な理念に基づき、貧困や格差、気候変動や環境破壊など、世界が直面する課題に対処するための共通の目標と行動計画です。その根底にある基本的な考え方は、「多様性の尊重」であるといわれています。
文化芸術は、国籍や信条、社会的な身分、性別や障がいの有無といったさまざまな違いを超えて共有できるもので、多様性を尊重する社会の進展や他者との相互理解の促進に大きく貢献できる力を持っており、今後果たすべき役割は一層重みを増してくると考えます。
また、障がい者による文化芸術活動がますます盛んになる中で、さらに活動を推進するため、平成30年(2018年)6月に、「障害者による文化芸術活動の推進に関する法律」が制定されました。この法律では、障がい者の創造・鑑賞の機会の拡大や作品発表の機会確保などのさまざまなアプローチが期待されており、これらの必要な対応が求められています。
第四章 施策目標と方策
施策目標1 市民の暮らしと文化芸術とのつながりを深める
大和市は、平成21 年(2009 年)に制定した大和市文化芸術振興条例において、文化芸術を創造し、享受することが人々の生まれながらの権利であることを謳い、市民が文化芸術に親しむことのできる環境をつくることを理念として掲げています。
新型コロナウイルス感染症が感染拡大した当初、人々の身体的な接触や交流が妨げられ、多くの人が生活習慣、ライフスタイルの変容を余儀なくされました。こうした中にあって、初めは不要不急と捉えられることの多かった文化芸術ですが、後に明日への活力や安らぎを与え、社会的・経済的にも重要な価値があることが改めて認識されました。それと同時に、心身に加えて社会的にも良い状態にあることを意味するウェルビーイングという概念が注目を集めるようになりました。文化庁が令和4年にまとめた文化に関する世論調査によると、地域の文化芸術活動に「関心がない」という人たちは、ウェルビーイングが低い傾向にあることが示されており、ウェルビーイングの向上の観点から、⽂化芸術への関心はますます高まりを見せています。
大和市には、文化創造拠点シリウスや市民交流拠点ポラリス、学習センターといった文化施設のほか、各地域にはコミュニティセンターも設置されており、市民が文化芸術に触れることのできる環境が整っています。こうした文化的な特性を活かし、年齢、性別、国籍、障がいの有無などにかかわらず、誰もが文化芸術に関心を持ち、創造力と文化力を高めることができるよう、多様な担い手と一体となって、市民の暮らしと文化芸術とのつながりを深めるための取り組みを進めます。
重点方策 1-1 誰もが文化芸術を日常的に親しめる機会の充実
年齢、性別、国籍、障がいの有無などにかかわらず、市民の誰もが日常的に文化芸術の鑑賞、創作、発表等を行うことのできる機会を充実します。
方策 1-2 ユニバーサルデザインの視点を取り入れた環境の整備
芸術文化ホールがすべての人にとって利用しやすい施設となるよう、ユニバーサルデザインの視点を取り入れた環境の整備を継続して進めます。
方策 1-3 市民の自発的かつ主体的な文化芸術活動への支援
市民の自発的かつ主体的な文化芸術活動を促進するため、個々の状況に応じて、相談や創造、発表の機会及び場の提供等の支援を行います。
方策 1-4 芸術性の高い文化芸術に触れる機会の充実
市民が喜びや感動を味わうとともに、芸術的感性を磨き、創造意欲を高めていくことができるよう、トップアーティスト等の芸術性の高い作品の鑑賞の機会やワークショップ等を通じて芸術活動に触れる機会を充実させます。
方策 1-5 文化芸術の力を社会へ活かす取り組みの推進
福祉の分野における癒しや生きがいの創出、表現力・コミュニケーション力の育成、体感治安の回復など、他の施策が抱える課題に対し、関係機関と連携、協力しながら、文化芸術の力を広く社会へ生かす取り組みを推進します。
施策目標2 地域の文化を大切に守り、次代につなぐ
大和市文化芸術振興条例では、文化芸術の振興にあたっての基本的な考え方の一つとして、「守り育ててきた文化芸術を継承する」ことを掲げています。
大和市には、日本の旧石器時代の研究を塗り替えた月見野遺跡群をはじめ、歴史の重みを感じさせる建造物、彫刻、工芸品などの文化財が数多くあります。これらは、大和の歴史や文化の成り立ちを明らかにするために欠くことのできないものであり、先人の生活や市域の風土との関わりにおいて生み出され、守り伝えられてきた貴重な財産です。
一方で、これらを支える市民は、急速に進む少子化、高齢化等を背景に減少している傾向にあり、このまま進行すると、その価値が広く認識、周知されないまま埋もれていってしまう恐れがあります。
こうした問題に対応していくためには、これまでの学術的な利用等を主とした「公開による活用」にとどまらず、「他の施策分野への活用」に踏み込んだ取り組みを推進していくことが必要と考えます。現に全国では、過去の常識にとらわれない新たな発想で、文化財の魅力を引き出し、地域のアイデンティティーの形成や担い手の確保につなげている好事例も報告されており、本市においても、市の特性に応じたものを実施することができれば、成果を得られる可能性があります。
大和に息づく地域の文化を守り、歴史的資源の積極的な活用を通じて大切にする意識を醸成し、次の世代に引き継ぐための取り組みを進めます。
重点方策 2‐1 観光振興や地域振興等につなげる取り組みの推進
市内の歴史文化施設や指定文化財を大和の文化的な魅力の一つと捉え、これらを有効活用し、観光振興や地域振興等につなげる取り組みを推進します。
方策 2-2 歴史的資源の保存、継承、活用の推進
市内に存在する歴史的資源や埋蔵文化財等を市民の貴重な財産として確実に後世に継承するため、調査、修復、保存を適切に行うとともに、鑑賞機会の提供等の積極的な活用を推進します。
方策 2-3 地域の歴史・文化を知り、学べる機会の充実
歴史文化施設などにおいて、かつての大和の暮らしぶりや年中行事の再現、和紙・機織り・味噌などの伝統的なモノ作りの実演や体験を実施するなど、地域の歴史・文化を知り、楽しみながら学べる機会を充実します。
施策目標3 すべての子どもが文化芸術に親しめる環境をつくる
大和市文化芸術振興条例では、特に力を注ぐ施策の一つとして、「次代を担う子どもの豊かな人間性を育み、子どもが文化芸術に親しむための施策」を掲げています。
子どもは社会全体の希望、未来への力であり、いつの世でも、子どもが健やかに成長することは、市民みんなの願いといえます。
文化芸術の鑑賞や体験は、豊かな感性を磨き、創造力や表現力、他者を理解する心など、社会の中で生きていくためのさまざまな力を育みます。子どもたちには、経済的な状況に関わらず、誰もが文化芸術に触れることのできる機会が提供されるべきであり、さらに、成長段階において、自らの興味、関心に応じて選択ができるよう、可能な限り多様な選択肢を提供していくことが望ましいと考えます。
特に、小さな頃からインターネットやパソコンがある環境で育った世代、いわゆるデジタルネイティブである子どもたちからは、これまでの評価軸では捉えられない新たな文化芸術の創造も期待されます。今後は、より多様なジャンルに対して広く機会を提供しながら、文化芸術への受容度を高めていくことが重要になると考えます。
また、国は令和4年12月に策定したガイドラインに基づき、休日の学校部活動を段階的に地域クラブ活動へ移行することを進めています。本市においても、部活動の地域移行を進める組織が設立されており、この活動に協力して中学校生徒にとって望ましい文化芸術環境づくりに取り組む必要があります。
大和市に暮らすすべての子どもが等しく、多くの感動に出会い、感受性豊かな人間として成長できるよう、あらゆる担い手が協力しあい、一体となって、文化芸術に親しむことのできる環境をつくります。
重点方策 3-1 文化芸術の本物の輝きに触れる機会の充実
子ども、親子を対象とした公演や体験型ワークショップ等、すべての子どもが質の高い文化芸術に触れ、その感動を味わうことで、創造することや本来的なコミュニケーションの楽しさを実感できる機会を充実させます。
方策 3-2 子どもの文化芸術活動をサポートする組織の支援
子どもたちの文化芸術に対する興味、関心を効果的に引き出すために、様々なジャンルにおいて、子どもの文化芸術活動をサポートする組織を支援します。
方策 3-3 創造活動の成果を発表する機会の充実
子どもを対象としたコンクールや発表会、展示会等の開催及び支援を行い、子どもたちが文化芸術活動を通して、自己表現を行うことのできる機会を充実させます。
施策目標4 文化芸術の振興を牽引する担い手を育てる
大和市文化芸術振興条例では、文化芸術の継承とともに、未来に向け新たな文化芸術を創造することを基本理念の一つに掲げています。
大和の文化芸術を未来につなげていくためには、現在の子どもや若者たちが文化芸術の担い手になってもらうことが必要であり、そのための取り組みを絶え間なく続けていくことが不可欠となります。文化芸術の分野においては、芸術家や指導者等といった直接的な担い手のほか、活動の運営等をサポートするボランティア、芸術家と鑑賞者の橋渡し役を行うコーディネーターなど多様な担い手が存在します。こうした優れた人材を市内に増やしていくためには、大和市で継続的に活動していくための機会を多く設けたり、社会的な地位の向上につながる取り組みを行ったりするなど、市全体でその活動を奨励していくことが望まれます。
また、文化芸術の中でも、日本の伝統文化や地域に根差した文化は、人口減少の影響、生活様式の変化等による後継者不足の問題を特に抱えており、これまで以上に重点的な取り組みが求められます。これらの文化に触れる機会を継続的に設けることにより、興味、関心を高める契機となり、次代の担い手の発掘、確保にもつながっていくものと考えます。
大和の文化芸術を先導しようとする意欲的な市民が、自らの能力を存分に発揮し、文化芸術の牽引者となるよう、その発掘、育成に力を注いでいきます。
重点方策 4-1 伝統文化継承者の育成
日本の伝統文化を習得できる機会を提供し、その継承者の育成につなげます。また、無形民俗文化財の保存団体のみならず、大和の民俗芸能団体などの継承活動に対し、適切な支援を行います。
方策 4-2 若者の創造活動への支援
豊かな才能を持った若い世代の文化芸術活動の一層の促進を図るため、多様なジャンルにおいて、創造性を最大限発揮し、ステップアップを図ることのできる機会づくり、場づくりに取り組みます。
方策 4-3 文化芸術の振興に寄与した人の顕彰
市内を中心に優れた創造、創作活動を行っている芸術家や、大和の文化芸術の発展に貢献された人を顕彰し、これら文化芸術の担い手とその活動を市内外へ発信します。
方策 4-4 文化芸術活動を支える人材の育成
様々な形で文化芸術振興の主体者として関わっていけるよう、ホール運営に携わる人材や文化芸術事業に関わるボランティアの育成に取り組みます。また、大学からの学生インターンシップや学芸員の資格取得を目指す実習生を積極的に受け入れていきます。
施策目標5 大和の文化芸術の魅力を内外にアピールする
大和市文化芸術振興条例では、文化芸術の継承、創造に加え、文化芸術を発信するための環境の整備を図ることを市の役割の一つとして掲げています。
平成28年(2016年)11月に開館した、芸術文化ホールを含む文化創造拠点シリウスは、公共の複合文化施設としては異例の速さで年間総来館者数1,000万人を達成しました。そのペースはコロナ禍において一旦は鈍化したものの、令和6年(2024年)6月には2,000万人の大台を突破し、今や、大和のランドマークとして位置付けられる本市が誇る文化資源といえます。こうした文化資源は、施設だけでなく、市ゆかりのアーティスト、芸術作品、文化芸術団体、イベント、風景など、市内に多く存在しています。これらの持つ魅力に光をあて、多様な手段を用いて、市内外に効果的にアピールしていくことで、大和市を知り訪れる人々が増え、ひいては「大和らしさ」が創出されていきます。
また、現在の大和市は、音楽、演劇、美術、文芸、芸能など様々な分野において、多くの市民が活発に活動していることに加え、SORAアーティストパフォーマーや中央林間手作りマルシェの出展者など、市外に拠点を持ちながらも、大和の文化芸術の振興に関わりを持つ人、いわゆる「関係人口」と呼ばれる人も多く活動しています。人口が減少すると推計されている我が国において、関係人口は地域活性化の担い手として近年注目されており、これも市の文化資源と捉え、広く発信していくことで、大和の新たな魅力として認知されていくものと考えます。
市民はもとより、市外の人にも大和の文化芸術の良さを感じてもらえるよう、観光や景観の施策とも連携を図りながら、その魅力を内外にアピールしていくための取り組みを進めます。
重点方策 5-1 多くの人を惹きつける文化芸術イベントの開催
大和の文化芸術の魅力となっている「神奈川大和阿波おどり」や「中央林間手づくりマルシェ」の開催を支援するとともに、日本のポップカルチャーを活用した観光文化イベント等の開催に向けた検討を進めます。
方策 5-2 文化芸術に関する情報発信力の強化
文化芸術に関する情報を一元的に提供するポータルサイト「大和文化百花」を効果的に運用します。また、SNSや動画配信サービスなどデジタルコンテンツによる情報発信の充実を順次図るとともに、紙媒体も引き続き活用しながら、幅広い年齢層に対して分かりやすく情報発信を行います。
方策 5-3 文化芸術の魅力の一体的な発信
文化芸術の力で人とまちを元気にすることを目的とした、「YAMATO ART100」を継続して実施するなど、大和の文化芸術の魅力を一体的に発信します。また、芸術文化ホールを主会場とした「やまと芸術祭」を実施し、指定管理者等とともに、様々な文化芸術イベントを集中的に開催します。
方策 5-4 大和らしい歴史的・文化的景観の発掘、発信
映画やTV、CM等の撮影ロケーション地としてのプロモーション、撮影支援を行うフィルムコミッション事業を通じて、歴史が感じられる街並みや文化的景観等の大和らしい景観を掘り起し、広く発信します。
施策目標6 多文化共生社会の実現を目指し、様々な文化に親しめる環境をつくる
大和市文化芸術振興条例では、子どものための施策と並ぶ重要な施策として、「多文化共生のための施策」を掲げています。
本市は、厚木基地を抱え、かつてインドシナ難民を受け入れるための施設である「大和定住促進センター」が存在していたこともあり、早くから多様な文化を肌で感じてきたまちです。さらに、平成2年に「出入国管理及び難民認定法」の改正により、就労の機会を求めて多くの南米日系人が来日したことで、一層の多国籍化が進み、今では90近い国と地域の外国人が生活を営むまちとなりました。全国には、本市よりも外国人が多く住む自治体は他にもありますが、国籍に多様性があることは、他ではあまりみられない大和市の特性といえます。
一方、我が国においては、令和6年(2024年)3月の訪日外客数が308万1,600万人となり、統計を取り始めて以降初めて、300万人を突破したとのことです。こうした海外から日本への旅行者のことをインバウンドと呼びますが、これは、今後も右肩上がりで増加していくことが想定されています。本市においても、隣接する横浜市の瀬谷区で開催される国際園芸博覧会及びその後に誘致が予定される次世代型テーマパークによるインバウンドの影響が予測されており、こうした点を踏まえ、多文化共生の意識の醸成を図ることは、今後ますます重要性が増してくると考えます。
言語や民族の違いを超え、人々の心を結び付ける文化芸術の力を活かし、市内で暮らす外国人市民との交流はもとより、海外の人々との交流等を通じて、多文化共生社会の実現に貢献していきます。
重点方策 6-1 文化芸術を通じた国際交流イベントの推進
日本人市民や外国人市民が気軽にコミュニケーションを取ることができる機会を提供するために、文化芸術を通じた国際交流イベントを開催します。また、日本の文化や芸術を外国人に紹介する活動を推進します。
方策 6-2 海外都市との文化芸術交流の推進
市民の国際感覚及び相互理解を深めるため、海外都市と様々なジャンルの文化芸術交流を推進します。
方策 6-3 国際理解に関する意識啓発の充実
日本人市民が外国への関心を高め、国際交流活動への参画を促すため、楽しみながら多様な文化や生活習慣等を学ぶ講座の開催や冊子等による意識啓発に取り組みます。
第五章 計画推進に向けて
1.文化芸術振興の担い手と役割
大和市文化芸術振興条例では、市民と市が果たす役割をそれぞれ定めています。
文化芸術振興の総合的な推進を図るため、市や事業者等の役割を明らかにするとともに、市民、文化芸術団体等に次のような役割を期待します。
また、市では、これまで同様、教育、国際、観光など、庁内における関係部署との連携、協力を継続しながら、より発展的な取り組みを進めていきます。
施策目標1 市民の暮らしと文化芸術とのつながりを深める
1-1誰もが文化芸術を日常的に親しめる機会の充実
主導的にかかわる担い手:市民(文化芸術団体等)、芸術家、芸文ホール、市
支援する担い手:公益財団・観光協会、民間文化施設、教育委員会
1-2ユニバーサルデザインの視点を取り入れた環境の整備
主導的にかかわる担い手:芸文ホール、市
支援する担い手:市民(文化芸術団体等)、芸術家、民間文化施設
1-3市民の自発的かつ主体的な文化芸術活動への支援
主導的にかかわる担い手:市
支援する担い手:芸文ホール、公益財団・観光協会、民間文化施設、教育委員会
1-4芸術性の高い文化芸術に触れる機会の充実
主導的にかかわる担い手:芸術家、芸文ホール
支援する担い手:市民(文化芸術団体等)、民間文化施設
1-5文化芸術の力を社会へ活かす取り組みの推進
主導的にかかわる担い手:芸文ホール、市
支援する担い手:市民(文化芸術団体等)、芸術家、教育委員会
施策目標2 地域の文化を大切に守り、次代につなぐ
2-1観光振興や地域振興等につなげる取り組みの推進
主導的にかかわる担い手:公益財団・観光協会、市
支援する担い手:芸術家
2-2歴史的資源の保存、継承、活用の推進
主導的にかかわる担い手:市、教育委員会
支援する担い手:市民(文化芸術団体等)
2-3地域の歴史・文化を知り、学べる機会の充実
主導的にかかわる担い手:市、教育委員会
支援する担い手:市民(文化芸術団体等)、公益財団・観光協会
施策目標3 すべての子どもが文化芸術に親しめる環境をつくる
3-1文化芸術の本物の輝きに触れる機会の充実
主導的にかかわる担い手:芸術家、芸文ホール、公益財団・観光協会、教育委員会
支援する担い手:民間文化施設、市
3-2子どもの文化芸術活動をサポートする組織の支援
主導的にかかわる担い手:公益財団・観光協会
支援する担い手:市民(文化芸術団体等)、市、教育委員会
3-3創造活動の成果を発表する機会の充実
主導的にかかわる担い手:市、教育委員会
支援する担い手:芸文ホール、民間文化施設
施策目標4 文化芸術の振興を牽引する担い手を育てる
4-1伝統文化継承者の育成
主導的にかかわる担い手:公益財団・観光協会、市
支援する担い手:芸術家
4-2若者の創造活動への支援
主導的にかかわる担い手:芸文ホール、市
支援する担い手:芸術家、公益財団・観光協会、民間文化施設
4-3文化芸術の振興に寄与した人の顕彰
主導的にかかわる担い手:芸文ホール、市
支援する担い手:民間文化施設
4-4文化芸術活動を支える人材の育成
主導的にかかわる担い手:芸文ホール、市
支援する担い手:民間文化施設
施策目標5 大和の文化芸術の魅力を内外にアピールする
5-1多くの人を惹きつける文化芸術イベントの開催
主導的にかかわる担い手:公益財団・観光協会、市
支援する担い手:市民(文化芸術団体等)、芸術家
5-2文化芸術に関する情報発信力の強化
主導的にかかわる担い手:芸文ホール、公益財団・観光協会、市
5-3文化芸術の魅力の一体的な発信
主導的にかかわる担い手:芸文ホール、市
支援する担い手:市民(文化芸術団体等)、芸術家、公益財団・観光協会、民間文化施設
5-4大和らしい歴史的・文化的景観の発掘、発信
主導的にかかわる担い手:公益財団・観光協会、市
施策目標6 多文化共生社会の実現を目指し、様々な文化に親しめる環境をつくる
6-1文化芸術を通じた国際交流イベントの推進
主導的にかかわる担い手:公益財団・観光協会、市
支援する担い手:市民(文化芸術団体等)、芸術家、芸文ホール
6-2海外都市との文化芸術交流の推進
主導的にかかわる担い手:公益財団・観光協会、市
支援する担い手:市民(文化芸術団体等)
6-3国際理解に関する意識啓発の充実
主導的にかかわる担い手:公益財団・観光協会
支援する担い手:市
2.モニタリング(計画の進行管理)
本計画では、「PDCAサイクル」の考え方に基づいた進行管理を基本とします。具体的には、施策目標の達成のために特に重要となる指標をモニタリング項目として設定し、これらの項目等の達成状況の調査を定期的に行いながら、有識者と市民で構成する文化芸術振興審議会による審議等を踏まえ、必要に応じて事業の見直しを行います。
なお、本計画の運用中に、新型コロナウイルスのような社会環境が一変する不測の事態が再度起きた場合は、「OODA(ウーダ)ループ」の考えに基づく進行管理に切り替え、状況に合わせた方策を計画に追加することや、モニタリングの項目の見直し、目標数値の変更など、柔軟に対応することとします。
※OODAループ:
現場を「観察(Observe)」、「分析(Orient)」し、状況に応じて素早く「意思決定(Decide)」し、「実行(Act)」に移すマネジメント手法。PDCAサイクルは、「計画を立ててから行動する」のに対し、OODAループは、「状況を見てとりあえずやってみる」という考え方で、状況によって意思決定したあとも、再度、観察に戻ることもある。
施策目標1
・過去1年間において1回以上文化芸術の鑑賞を行った市民の割合
現状数値:39.1%(令和5)
目標数値:65%(令和11)
・自ら文化芸術活動を行っている市民の割合
現状数値:22%(令和5)
目標数値:30%(令和11)
・文化や芸術活動が盛んに行われていると思う市民の割合
現状数値:令和6年市政世論調査で測定
目標数値:向上
施策目標2
・歴史文化施設の利用者数
現状数値:37025人(令和5)
目標数値:50280人(令和11)
・大和市の歴史や文化財は、しっかり継承されていると思う市民の割合
現状数値:令和6年市政世論調査で測定
目標数値:向上
施策目標3
・市立小・中学校の文化芸術鑑賞・体験1校当たりの実施回数
現状数値:3.5回(令和5)
目標数値:5回(令和11)
施策目標4
・やまと子ども伝統文化塾の累計受講者数
現状数値:2399人(令和5)
目標数値:3400人(令和11)
施策目標5
・芸術文化ホール年間利用者数
現状数値:209782人(令和5)
目標数値:306018人(令和11)
・YAMATO ART100として採用した文化芸術イベント数
現状数値:128件(令和5)
目標数値:100件以上(令和11)
・観光文化イベントの年間総来場者数
現状数値:680763人(令和5)
目標数値:1160000人(令和11)
施策目標6
・やまとワールドフェスタの総来場者数
現状数値:5600人(令和5)
目標数値:6000人(令和11)
・多文化共生・国際交流が行われていると思う市民の割合
現状数値:令和6年市政世論調査で測定
目標数値:向上
更新日:2024年12月11日