小学生が認知症について学ぶ 「認知症キッズサポーター養成講座」

更新日:2022年02月01日

2021年8月6日

講座に参加した小学生がスクリーンに映し出された映像を見ている姿を後方から写した写真

 大和市は、市内在住・在学の小学生を対象とした「認知症キッズサポーター養成講座」を、8月6日の13時30分からイオンモール大和3階イオンホール(大和市下鶴間1-2-1)で開催しました。

 市は、平成28年9月に「認知症1万人時代に備えるまち やまと」を宣言し、積極的に認知症に対する施策を推進してきました。宣言から5年が経とうとする令和3年4月、大和市の認知症者数は、約1万人と推計され、これまで以上に注力していく必要があります。

 厚生労働省が推進し、社会全体で認知症の方を支えることを目指す「認知症サポーター100万人キャラバン」。その一環で、認知症を理解し、自分のできる範囲で認知症の人や家族を応援する「認知症サポーター」の育成が行われてきました。何か特別なことをするのではなく、友人や家族にその知識を伝える、認知症になった人や家族の気持ちを理解するよう努めるなど、自分のできる範囲で活動をします。

 大和市でも、同サポーターの養成講座を平成21年度から継続して開催しており、累計で17,686人(令和3年7月末現在)が同サポーターとなっています。昨年度には、新型コロナの影響で例年より回数が減ったものの、市立中学校などで同講座を30回開催、859人が新たにサポーターとなりました。

 高齢化が進む昨今、近所の方や家族の方など、認知症の方と関わる可能性は年齢を問わずあります。認知症キッズサポーター養成講座は、小学生の頃から認知症の方への理解と正しい対応を学んでほしいという目的で平成31年から毎年実施。昨年までに54名の小学生が受講しました。

 今年は7月29日と8月6日に2回開催。第2回となる今回は、事前申し込みをした市内小学生7名(2年生:1人、5年生:5人、6年生:1人)が参加しました。講師を務めたのは、市職員3名と大和市立図書館の職員1名。講座では、「全国キャラバン・メイト連絡協議会」が小学生向けに作成したテキスト(全8ページ)を使用しました。

 講師は冒頭で、「認知症サポーターは特別なことをするわけではありません。認知症を正しく知って、もし困っている認知症の方を見かけた場合、そっと見守り、自分ができることをする人です」と説明。続いて、認知症になる前と後で脳の働きの違いがあることを、イソギンチャクのイラストで例えて解説しました。

 通常の講座では、認知症の細かい症状や対応方法などを講義形式で学ぶのに対して、キッズサポーター向け講座では、寸劇や紙芝居、クイズを交えて、認知症の方との接し方を学び、認知症に関する具体的な知識よりも、思いやることの大事さを伝えます。講師の「認知症の方は忘れやすくなり、できないことが多くなります。でも、間違いを指摘されたり、叱られたりすると悲しい気持ちになるのはみなさんと一緒です」との言葉から、子どもたちは認知症となった方の気持ちに思いを巡らせていました。

 最後に講師は、「認知症の人は何もわからないわけではありません。もしみなさんの身近な人が認知症になっても、是非学校で楽しかった事など、色々な話をしてください。皆さんとの楽しい時間は、認知症の人の気持ちを穏やかにします」とまとめました。終了後、子どもたちは認知症サポーターの目印である「認知症サポーターカード」を受け取り、笑顔を見せていました。会場では、認知症に関する絵本の紹介もあり、興味深く手に取って読む姿もありました。

 講座に参加し、認知症キッズサポーターとなった小学6年生の金岡 稜真(かねおか りょうま)さん(南林間在住、12歳)は、「自分のおばあちゃんが、もし認知症になってしまったら、その時、傷つけない様に接してあげたいと思って参加しました。近所にもおばあちゃんやおじいちゃんがいて、いざというときに『大丈夫?』と声をかけることの大事さが学べたので生かせると思います」と話していました。

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