コロナに負けず 無病息災を祈念 薬王院で「双盤念仏」

更新日:2022年09月14日

2021年9月9日

念仏の様子

浄土宗信法寺の別院「薬王院」(大和市上和田2710)で、7日・8日の2日間、上和田薬王院双盤念佛保存会による「双盤(そうばん)念仏」が行われました。

この念仏は、仏教の「声明(しょうみょう)」から発達した音声に、抑揚をつけて長く引き伸ばして阿弥陀(あみだ)仏の名を繰り返し唱える「引声(いんぜい)念仏」の一種です。木製の吊り台に吊るした金属製の鉦2個を1組とした「双盤鉦(がね)」と太鼓の音に合わせて念仏を唱えます。

40~70歳代の約20人が所属する上和田薬王院双盤念佛保存会によって行われている伝統行事で、1976年には大和市指定重要無形民俗文化財に指定されました。
双盤念仏は、鎌倉光明寺の系統を引いたものとされており、無病息災と家運隆昌のご利益があるといわれ、毎年、薬王院の本尊である薬師如来の縁日となる9月8日とその前日に本堂で唱えられます。

薬師如来像は秘仏で、12年に一度の寅年に開帳されます(次回は2022年)。

双盤念仏の2日目となるこの日、境内では近隣住民が念仏とともに響き渡る鉦と太鼓の音に聞き入っていました。

また、同院の薬師如来は、鎌倉時代の武将でこの地の地頭であった和田義盛が目を患い、薬師如来に祈願したところ全快したという伝承から、目の仏様として信仰されています。同じく義盛が薬効のあるショウガを食べていたことにちなんで、「薬師生姜」という芽ショウガが販売されていました。

地域の自治会長として行事を支える上和田在住の武藤寿栄(としえい)さん(67歳)は「地域のみなさんによって支えられてきた行事。この伝統は後世へしっかりと継承していきたい」と話していました。

同保存会の遠藤功一会長は、「コロナ禍で人が集められない状況ではありますが、地域のために無病息災を祈念したいと思い実施しました。来年は秘仏である薬師如来像の12年に一度のご開帳を行うので、来年こそは盆踊りや露店の出店とともに賑やかに開催できればと願っています」と話していました。

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