大和市の小・中学生が岩手県陸前高田市を訪問

更新日:2022年08月11日

2022年8月10日

大和市内在住・在学の小・中学生17人(小学生10人、中学生7人)が8月7日~9日の3日間、東日本大震災の被災地である岩手県陸前高田市を訪問しました。

大和市は、子どもたちの震災への理解を深め、思いやりの心や社会に貢献したいという気持ちを育んでもらうことを目的に、「こども体験事業」として陸前高田市を訪れる事業を実施しています。平成26年度から毎年訪問していましたが、新型コロナウイルスの影響で、今回は3年ぶり7回目の訪問となりました。

訪問初日には、陸前高田市の伝統行事である「うごく七夕まつり」に参加しました。同祭りでは、太鼓や笛によるお囃子の音色とともに町中を練り歩き、山車の美しさを競い合います。震災以降、地元民の元気の源として、復興への鋭気を養う象徴的な祭りとなっています。今回訪問を受け入れてくださった川原祭組の佐々木会長は、「子どもが来てくれることで祭りが盛り上がり、ひいてはそれが復興につながります。来年も是非来てほしいです」と話しました。子どもたちは、揃いのTシャツを着て川原祭組の一員となり、地元のみなさんと一緒に山車を引っ張りました。お囃子に合わせて掛け声を出しながら、祭りの雰囲気を楽しんでいました。

2日目は、高田松原津波復興祈念公園のセミナールームで戸羽(とば) (ふとし)・陸前高田市長に被災時のお話を伺いました。震災では、市庁舎が全壊し、多くの職員が犠牲になりました。戸羽太・陸前高田市長は、「復興に向けて、障がいのある方にも配慮した街づくりをしていきます」と話し、同市の被災状況や復興へ向けた取り組みなどについて語りました。また、「一人ではできることに限りがありますが、仲間となら何でもできる。みなさんもぜひ仲間を作ってください」とのメッセージが送られ、子どもたちは真剣な表情で受け止めていました。

次に子どもたちは震災遺構の一つである、米沢商会ビルに向かいました。ここで総合包装資材などを販売していた米沢祐一さんは、地上から高さ15mの屋上の煙突に上って津波を凌ぎ、翌日レスキュー隊に救助されたといいます。米沢さんは「津波のことを忘れず、災害に備えることが大切です。諦めずに常に自分で考えて行動しよう」と語りました。子どもたちは地上からはるか上の、実際に米沢さんが助かった高さまで登り、津波の高さや恐ろしさを再認識していました。

お昼からは、仮設集落である長洞(ながほら)元気村で、地元の方たちと炊き出し体験を実施。ご飯を飯盒(はんごう)で炊いて、おにぎりを作りながら震災当時の話を聞きました。体験に協力いただいたなでしこ会の村上陽子さんは、子どもたちに「何もかも失って辛かったけれど、皆さんが来てくれることで自分たちも元気がもらえます。また来てください」と話しました。

その後、同施設でカードを使用した防災シミュレーションゲームであるクロスロードゲームを行い、いろいろなケースについて議論を深めていました。

最終日には、高田松原津波復興祈念公園内にある東日本大震災津波伝承館を見学。ガイドの方から説明を受けながら、津波で大破した車などの展示物、被災で変わってしまった街の映像を通して、震災の恐ろしさを改めて学びました。

3日間の訪問を終え、参加した小山(おやま)()()さん(中学2年生)は、「この事業に参加して、地震や津波への気持ちが変わりました。今まで被災地の映像を見ても、『地震だ』『こわい』くらいにしか思っていませんでしたが、実際に行ってみて自分が思っていることの何十倍も恐ろしいことだと感じました。また、被災者の方が辛い思いをしながらも、自分の街を良くするためにがんばっていたり、人に優しく接していたり、自分たちも受け入れてくれたりする姿にとても感動しました。自分も人へ配慮しながら、生きていこうと思いました」と話しました。

今後、参加者は研修内容をまとめ、11月26日に開催される「大和市青少年健全育成大会」の中で発表します。

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