令和元年度 こども体験事業 事前研修~宿泊研修
令和元年度は、小学5年生10名、6年生7名、中学生8名の合計25名が市内の小中学校から集まりました。
東日本大震災から8年たち、震災当時のことを知らない参加者も数多くなってきています。
震災をあまり覚えていないけれど、何が起こったのか知りたいという参加者や、過去にこの事業に参加し、改めて被災地の現状を見に行きたいという参加者が何人も参加してくれました。
8月7日〜9日の3日間で、津波の被害が甚大であった岩手県陸前高田市を訪問しました。
事前研修 7月14日・7月21日・8月3日
事前研修では、宿泊研修に向けて陸前高田市の地理や被災状況、地震や津波の基礎知識などを勉強しました。
また起震車体験で震災当時の揺れを感じたり、青年実行委員から震災の体験談を聞いたりすることで、東日本大震災直後やその後の復興について学びながら、参加者一人ひとりが宿泊研修での目標を考えました。
現地で出会う人に質問したいことや、見学予定の震災遺構でどのような部分に注目するかなど、自分が宿泊研修で何を学んでくるのかを具体的に考え、3日間をより有意義にするための研修となりました。
活動内容
- アイスブレイク(初めて会う参加者同士の交流活動)
- こども体験事業についての説明
- 陸前高田市について(講義)
- 東日本大震災についてのDVD視聴
- 青年実行委員による震災体験談
- うごく七夕まつりに向けて映像視聴、かけ声の練習
- あざふ折り
- ゲストティーチャーによる震災体験談
- 個人目標の設定
- 起震車体験
- 陸前高田市長や現地の方々への質問検討
- 民泊体験に向けての準備活動



宿泊研修 8月7日〜9日 2泊3日
日程と活動内容
1日目(8月7日)
- 追悼施設での黙とう、まちづくり情報館、タピック45、今泉地区高台を見学
- うごく七夕まつりに川原祭組の一員として参加
2日目(8月8日)
- 戸羽太陸前高田市長を表敬訪問、講話
- 民泊体験対面式(はまって会)後、市内10戸の家庭に分かれて活動
主な活動内容:農作業の手伝い、市内の見学、夕食づくり、震災当時の体験談を伺う等
3日目(8月9日)
- 民泊体験解散式(ほんでまず会)
- 奇跡の一本松見学
- 地元鶴亀鮨にて店主の被災体験講話
参加者の感想
- 震災遺構のタピック45を見学した時、津波がきた場所よりもっと上の屋根まで登ったと聞いて、津波がとても怖かったのだと思いました。
タピックの中に折れ曲がった鉄の棒や松原の松が入っていたり、建物に刺さっていたりして、津波の威力を実感しました。 - 追悼施設に行き黙祷をしました。花と色紙が飾られていて震災の苦しさが伝わってきました。情報館では2年の時を経て陸前高田に戻ってきた「かもめ」という船がありました。アメリカから戻ってきたという「かもめ」から、人と人とのつながりの大切さに改めて気づくことができました。
- 特に印象に残ったもののひとつが「うごく七夕まつり」です。昨年参加した時よりも人が多くて一層盛り上がっていたと思います。
みんなで息を合わせて山車を引っ張ったり、飛びはねながらかけ声をかけたりしてとても楽しかったし、まつりは復興のしるしだと感じました。 - 戸羽市長のお話を聞いて、自然災害は簡単に予想をこえてくる恐ろしいものだと改めて知りました。
約1ヶ月前に市長になったばかりだったのに大変だっただろうなと思いました。奥さんを震災で亡くして、「もうだめだと思ったとき、友だちが「1人で全部背負わなくていい」と言ってくれて助けられた」と言っていました。
友だちや家族、普段当たり前だと思っていることを大切にしようと改めて思いました。 - いろいろなお話を聞いて、自分がどれだけ贅沢をしていたのか改めて気づかされました。防災の意識というものが大事であると感じました。
- 3日間の活動で、いろいろな方からお話を聞くことができて、それも一人ひとり違ったお話で、それぞれの立場から震災についてお話されていました。共通してお話されていたことが、「ここまでだったら大丈夫だろうと思っていたが、それを上回って津波が来て流されてしまった人たちが多くいる。」ということでした。
見てきたこと、聞いてきたことを家族や友だちに話して、震災のことを知らない、覚えていない人をなくしたいと思いました。




更新日:2025年03月31日