令和5年度こども体験事業
こども体験事業とは
「こども体験事業」とは、2泊3日で東日本大震災の被災地である岩手県陸前高田市を訪問し、震災遺構見学や現地の方々との交流活動など、様々な体験をとおし、被災地の現状を知り、自然災害への理解や防災の意識を高めるとともに、人間性豊かで主体的に活動できる青少年を育成することを目的とする事業です。
また、事業実施にあたり、公募で集まった青年と関係ボランティア団体から推薦された方々で構成される「こども体験事業実行委員会」を立ち上げ、事業内容の検討や、宿泊・事前事後研修の運営等を行っています。
この事業は、大和市青少年健全育成基金を活用して、実施しています。
1.参加者・実行委員
大和市内より、小学5年生12名、小学6年生8名、中学1年生2名、中学2年生 6名、中学3年生2名、合計30名の小中学生が参加しました。
※今年度は40名を超える応募があり、その内の30名が抽選により選ばれました。
・青年実行委員10名(社会人2名、学生5名、高校生3名 いずれも市内小中学校卒、市内在住)
※実行委員の多くが過去の事業の参加者や実行委員の経験者。今年度に初めて事業に参加した実行委員もいます。
・団体実行委員5名(市内に拠点を置く青少年支援各団体より1名ずつ選出)
団体:大和リバティライオンズクラブ、ユナイテッドかながわ、大和市子ども会連絡協議会、一般社団法人大和青年会議所、大和ユースクラブ
R5参加者募集チラシ(募集は終了しました)
2.事前研修(全3回)
1.7月 9日(日曜日)※同日に保護者説明会も開催
内容:アイスブレイク、事業の概要説明、東日本大震災について概要説明、実行委員による震災体験談など
2.7月16日(日曜日)
内容:神奈川県総合防災センター見学(大地震体験、自然災害に関する動画視聴、防災関連の展示観覧など)
3.7月30日(日曜日)
内容:宿泊研修しおり読み合わせ、うごく七夕まつり参加のための準備、献花代へ置くメッセージカードの作製など
3.宿泊研修
日時:8月7日(月曜日)~9日(水曜日) 2泊3日
場所:岩手県陸前高田市内 (現地へは市委託バス、新幹線を利用して移動)
1日目(8月7日)
・高田松原復興祈念公園にて献花・大和市民から集めたメッセージカード献上、奇跡の一本松の見学
・津波伝承館にて東日本大震災についての展示資料見学
・うごく七夕まつりに川原祭組の一員として参加
2日目(8月8日)
・震災遺構:気仙中学校見学
・各民泊受け入れ家庭との「はまって会」(対面式)
・各家庭で民泊体験(野菜収穫、海水浴、わかめの茎取り、震災当時の講話など)
3日目(8月9日)
・各民泊受け入れ家庭との「ほんでまず会」(お別れ式)
・道の駅にて地元のお土産購入
・地元鶴亀鮨にて店主の被災体験講話、昼食
4.事後研修(全4回)
1.9月3日(日曜日)
内容:宿泊研修での学びや感じたことについての作文、実際に災害が起きた際の対処の仕方について、グループで事例検討
2.9月10日(日曜日)
内容:事例検討ポスター作製、グループごとに事例検討内容の発表、作文の清書
3.10月22日(日曜日)
内容:現地でお世話になった方へのメッセージカードの作製、健全育成大会発表の台本読み合わせ
4.11月12日(日曜日)
内容:健全育成大会発表に向けての練習(個人、グループ、全体リハーサルなど)
5.健全育成大会での活動報告・事例検討内容の発表
○11月24日(金曜日) 前日リハーサル(18時より、シリウスメインホールにて)
○11月25日(土曜日) 活動発表(当日リハーサル、3階マルチスペースにて発表練習、発表本番)
6.実行委員会・青年打ち合わせ
○実行委員会 (年4回)
第1回:4/28(金曜日)、第2回:5/26(金曜日)第3回:7/3(月曜日)、第4回:R6年2月下旬開催予定
内容:役員選出、予算案承認、参加者の確定、現地下見報告、宿泊研修スケジュール確定など
○青年実行委員打ち合わせ(全13回)
実行委員会とは別に、10名の青年実行委員がこども体験事業を成功させるために定期的に集まり、多くの時間をかけて議論を行い、様々な準備を行ってきました。
内容:参加者の抽選、宿泊研修での学びを深めるための事前・事後研修のプログラム検討、振り返りノートの内容の検討、現地へのメッセージカードレイアウト作製、活動発表のシナリオ内容検討、発表における参加者の配置や動き方の検討 など
7.その他の活動について
○活動報告・事例検討ポスター掲示(市内小中学校、各施設)
○活動報告書『つながり』 の編集(R6.2~3月配布)
8.参加者の作文より
・津波伝承館で、津波の映像を見た瞬間、体全体に衝撃が走りました。同時に「津波はとてつもなく怖くて恐ろしい」という感情が湧き上がりました。なぜなら、映像の中の津波は、人々や町を飲み込み、陸前高田市をあっという間に壊していったからです。この伝承館での経験から、災害に対する日頃の備えの大切さに気付き、家に帰ったらすぐに自分ができる備えをしなければと思いました。
・悲しいことがあると、それは一生心に残り、楽しいことをするのは難しいと思います。しかし、「うごく七夕まつり」は、とても盛り上がっていました。震災で悲しみを抱えた人たちが立ち直れたのは、みんなの祭りに対する想いが強かったからだと感じました。みんなで盛り上がることができて、とても嬉しかったです。
・気仙中学校で私は「津波の威力」を目の当たりにしました。「くの字」に大きく曲がった分厚い扉は、陸に押し寄せる「押し波」だけでなく、海に戻る「引き波」の強さも物語っていました。津波が去った後の気仙中学校をこの目で見たこと、ガイドさんから「マニュアルどおりではなく、臨機応変な判断と素早い行動をしたことで全員の命が助かった」という話を聞いて、「私は、この陸前高田での経験を無駄にしない。必ずこれからの自分の命を守るために役立てよう。」そう思いました。
・民泊では、震災当時、家を流されて困っている知らない人を家に泊めたエピソードや、日頃の交流が緊急時の団結につながるといった教訓を伺い、私は、大和市でも日頃から色々な人と交流したいと思いました。また、見返りを求めず、人のために何かする勇気を持つことの大切さを知りました。陸前高田のみなさんが震災当時のことを忘れないのと同じように、私たちも、震災のことを絶対に忘れてはいけないと思いました。
・おいしい海鮮丼を作ってくれた鶴亀鮨店主の阿部さんは、震災直後、自分のことではなく、近所に住んでいた高齢の方を優先し、助けに行ったそうです。私だったら、自分のことで精一杯で助けることなんてできません。阿部さんの話を聞き、私も、もし大きな震災が起きてしまった時は少しでも人の力になれるように行動したいと思いました。
更新日:2023年12月15日